屋上防水塗装(X-1工法【通気工法】)
①現状
防水層がかなり痛んでおり、破れや膨れが多数見当たりました。破れから雨水が進入してしまうので、防水効果がほぼ無い状態です。長い間、建物を雨風から防いでくれていた防水層ですが、老朽化には勝てないようです。
②既存防水層の撤去
既存の防水層シートを剥がしていきます。
破れ部分から雨水が進入し、防水層の下のRC躯体を傷めてしまい、クラックが発生していました。
③下地調整
防水層を剥がした部分のクラックを補修し、カチオンセメント(密着力の強いモルタル)を使って段差を無くしていきます。
④既存ドレン撤去
立ち上がり部分にある既存のL型ドレンを撤去します。今回の防水工事では新しいドレンに交換となります。
⑤ 新ドレン
新しく取り付けるドレン。
⑥プライマー(下塗り材)塗布
屋上全体にプライマーを塗布します。
プライマーは躯体との接着力を上げるための下塗り材です。
⑦防水シート貼り
通気緩衝シートを貼り込みます。
通気緩衝シートとは、下地からの水分蒸発による塗膜のふくれや剥離を防止し、下地に生じたクラックによる防水層の破断も防ぎます。
また、このシートは単体でも簡易的な防水機能を持っていますので、より高度で信頼性の高い防水工事となります。
⑧脱気筒取り付け
この脱気筒をつけると湿気や水分が外に逃げるので施工後の浮きの心配がなくなります。
蒸気や空気は上に逃げようとする性質があるので、屋上勾配の高い場所に設置するのが効果的です。
⑨補強クロス貼り
立ち上がり面や役物も防水塗装しますが、脱気シートは貼る必要がありません。そのかわりクロスメッシュと呼ばれる布を貼ります。
⑩防水塗装 1回目
ウレタンゴム塗膜防水の主剤は固めでドロドロの材料。ですので、ローラーではなくコテで塗るのが一般的です。
膜厚が少ないとすぐ破断してしまうし、1回で厚付けするとヒビ割れを起こすので、出来る限り規定量を維持して2回塗っていきます。
⑪防水塗装 2回目
メーカー指定の規定量、規定厚に防水層がなりました。
仮に、この段階で雨が降ったとしても完全に防水されています。
⑫防水塗装 トップコート
トップコートは、外壁塗装や屋根塗装と同じく、紫外線による劣化を防ぐ重要な役割をしています。
防水塗装用の材料よりはずっと塗りやすい塗料で、ローラー塗布が可能です。
⑬屋上防水 完成
バルコニー防水(X-2工法【密着工法】)
①防水塗装 現状
バルコニーは汚れがこびりつき、コケや藻も生えてしまっています。
②防水塗装 ケレン・清掃
汚れやコケ等を綺麗に清掃します。こびりついているものは、ケレンで削り落とします。
ここでも下地の処理が大事です。
③防水塗装 プライマー塗布
下地への吸込み防止・接着力強化の為ローラー又は刷毛でプライマーを塗布します。
④防水塗装 補強クロス貼り
防水材の強度と耐久性を増す為に、平場に補強用のガラス繊維製クロスを貼ります。
⑤防水塗装 防水塗装1回目
防水材を適正に攪拌・混合し、速やかに床面に流し、ローラー、金鏝、ゴムベラなどで規定量を均一に塗布します。
⑥防水塗装 防水塗装2回目
1層目の硬化後、塗布面をチェックし、ピンホール、クラックがないかどうかチェックして2層目を平滑に仕上げます。
⑦防水塗装 トップコート
トップコートを規定の料の配合で混合・攪拌し、ローラーで塗布して仕上げます。
⑧防水塗装 完成