Before
外壁塗装のご相談を頂きました。また、住まいの1階、梁の部分から雨漏りがしているとのお話しもありましたので、雨水の進入経路になりそうな箇所もしっかりと補修します。
外壁を手でこすると、塗料の粉が着くチョーキング現象が見受けられました。
また、結構大きめなクラックが出ている箇所もあり(以前に補修したような跡が見受けられましたが、それすらも劣化していました)、そこから雨水等が入りこんでいるのではないかと思われます。
H様宅の外壁は『モルタル掃き付け仕上げ』、別名『ドイツ壁』でした。
最近の住宅ではあまり見かけなくなった、凸凹の何とも味わい深い塗り壁仕上げです。
モルタルを壁に塗り、ササラ(細く割った竹などを束ねて作られたブラシ)でモルタルを掃き付け、独特の凹凸をつけます。
ドイツ壁が凹凸が深く、ローラーではしっかり奥まで塗れないので、今回はスプレーガンを使った吹き付けで奥までしっかり塗装を行います。
外壁塗装
クラックの補修跡が、外壁の色との違いも相まって目立っています。また、少しくすんだ色で、全体的に暗いイメージになっていました。
クラックをしっかりと補修し、明るい色にて塗装。凹凸の陰影が良い雰囲気を出しています。
『モルタル掃き付け仕上げ』の凹凸を活かす為に、今回は吹き付け塗装でガイナを塗布してます。
ローラーでは、凹凸の奥までしっかり塗れない場合や、せっかくの凹凸を潰してしまう場合もあるのでガン吹きで施工しました。
ガン吹きの利点としては、全体を均一に塗装するのに優れている事。「ガン吹きだと厚みがつかない」と、おっしゃる方もいますが、しっかりとした技術と工程を守ればしっかりと仕上がります。場合によっては、ローラーよりも厚く塗装する事も可能です。
難点として、近隣への塗料の飛散や、コンプレッサーの音などが懸念されるので、一長一短ではあります。
吹付けの様子
均一な塗膜を作るために、スプレーガンと外壁との距離は一定距離を保ち、並行に動かします(円を描くようには動かさない)。また、スプレーガンを外壁に対して常に直角を保つようにします。
スプレーガンを動かす速度も重要で、速く動かすと膜厚が薄く、遅く動かすと厚くなりすぎて塗料が垂れてしまいます。長年の経験がモノを言う工法ですね。